実家に水が入ったと聞けば、すぐに戻って、ぬれた物を外へ出したくなります。ただ、家が浸水したときの最初の仕事は片付けではありません。人の安全と、家に近づいてよい状態かの確認です。
その後は、片付け前の写真、現地と遠方の役割分担、自治体への確認、清掃の準備へ進みます。小金井市では、人が住んでいる家と空き家で被害を届ける書類が違うため、実家の使用状況も確認しておきます。
まず、人の安全と家に入れる状態かを確認する
親や現地にいる家族の安否を確認し、避難が必要な状況では家財より避難を優先します。遠方から向かう場合も、自治体の避難情報や交通情報を確認してから判断してください。家の確認を近隣の人に頼むときも、危険な場所へ行ってもらう依頼にはしません。
倒れた電線や、壁・基礎の大きな損傷が見える家には入らず、専門の確認を待ちます。水が引いたというだけでは、建物や電気設備の安全まで確かめたことにはなりません。
特に、濡れたブレーカーや電気設備に触れること、水に立った状態で電源を操作することは避けてください。「まずブレーカーを落とす」と一律に動かず、安全に操作できない状態なら電力会社や電気工事の専門業者へ連絡します。立入りと電気の注意は、CDCの災害後の帰宅時の安全案内も参考になります。
片付ける前に、全体と被害のアップを写真に残す
安全に確認できる段階になったら、片付けや修理の前に写真を残します。ぬれた家具だけを接写するのではなく、家のどこで、どの高さまで水が来たのか分かる写真を組み合わせます。
- 外側:家の全体を、可能なら四方向から撮る。
- 水の高さ:外壁などに残る浸水の跡を撮る。
- 内側:各部屋の全体と、傷んだ箇所のアップを撮る。
- 設備・家財:被害を受けた家電や設備の状態を残す。
小金井市の被害写真の撮り方を、現地で撮影する人にも送っておくと、依頼内容を共有できます。四方向をそろえるために危険な裏側へ回ったり、撮影のためだけに室内へ入ったりする必要はありません。
遠方で受け取る家族は、写真を「外観」「台所」「居室」などの場所ごとに整理し、撮影日と撮った人をメモしておきます。写真を撮った人と自治体へ説明する人が違っても、同じ場所を指して話せるようにするためです。
遠方の家族は「現地の人」と「連絡する人」を決める
鍵を持つ人、写真を撮る人、親から話を聞く人が別々でも構いません。ただし、全員がそれぞれ清掃や修理を頼むと、どこまで進んだのか分からなくなります。現地へ向かう前に、次の分担を一枚のメモにしてください。
| 担当 | 決めておくこと |
|---|---|
| 現地で確認する人 | 鍵の所在、安全に確認できる範囲、写真の共有先 |
| 遠方の連絡窓口 | 自治体や既契約の保険会社への確認、家族への共有 |
| 所有者・家族 | 片付ける物と残す物、費用のかかる作業を誰が決めるか |
最初の依頼を「家を片付けておいて」の一言で終わらせず、「安全に見られる範囲の写真を送ってほしい」「処分や発注は一度連絡してほしい」と分けます。急いで必要な対応と、家族で確認してから進める作業を区別しやすくなります。
保険に加入している場合は、手元の契約書類から連絡先と必要な手続きを確認します。空き家になった実家の契約を整理する順番は、空き家の火災保険で確認することに分けてあります。
小金井市では、住家と空き家で被害証明が違う
小金井市の案内では、実際に居住している「住家」の被害程度を証明するのが罹災証明書です。一方、空家などの非住家は「被災届出受理証」の対象です。親の名義かどうかだけでなく、実際に住まいとして使っているかを伝えて確認します。
被災届出受理証は、被害の届出があった事実を証明するもので、被害の程度や、被害と災害の因果関係を証明する書類ではありません。代理人が申請する場合には委任状も必要です。小金井市の罹災証明書・被災届出受理証の案内で必要書類を確認してから手配してください。
これは小金井市の扱いです。実家が他の市区町村にある場合は、その自治体に「現在住んでいる家か、空き家か」を伝えて窓口と書類名を確認します。
清掃の道具は、作業範囲が決まってから用意する
安全に作業できることを確認したうえで、丈夫な手袋、底の厚い靴、長袖、目を保護するゴーグル、ほこりを吸い込まないためのマスクを用意します。厚生労働省の被災家屋での感染症対策(PDF)でも、こうした装備と作業後の手洗いを案内しています。持っている物を確認し、不足分からそろえましょう。
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水拭き用の手袋は、防水性と滑り止め、手に合うサイズで選びます。リンク先の手袋は薬品・溶剤用ではありません。割れたガラスなどを直接つかむ作業にも使わないでください。
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目の保護には、飛沫や粉じん向けの無気孔ゴーグルが選択肢です。眼鏡をかける人は、併用できる寸法も確認します。
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清掃は、換気、泥などの汚れの除去、十分な乾燥が基本です。消毒薬を買って先にまくのではなく、まず汚れを落とします。進め方は厚生労働省の浸水した家屋の感染症対策(PDF)で確認できます。
床下に水が入った場合は、表面を拭くだけの片付けと分けて考えてください。床下へ潜る、床を外す、排水ポンプを使うといった作業を自分で始める前に、建物を確認できる専門業者へ作業範囲を相談します。見えない部分を確認しないまま、必要な道具だけを先に買わないことが大切です。
また、水に浸かった家電を「乾いたから」と試運転しないでください。NITEの水害後の製品事故への注意喚起は、浸水した電気・ガス・石油機器をそのまま使わず、メーカーや販売店へ相談するよう案内しています。発電機も屋内では使いません。
防蟻処理への影響は、私もあまり考えていなかった
私が参加した会議で、浸水した家の防蟻処理と保証の話がありました。その家の保証書を確認すると、天災地変についての保証が付いておらず、防蟻の再処理や費用の確認を進めたという報告でした。
防蟻処理が浸水の影響を受けることは、確かにあり得る。でも、私はそれまであまり考えたことがありませんでした。床下に水が入ったときには、以前に行った防蟻処理も確認する。この話は、片付けのチェック項目に加えておきたいと思います。
防蟻処理をした家なら、施工時の保証書を探し、以前の施工先に次の3点を確認してください。
- 浸水で、以前に処理した範囲へ影響が出ていないか。
- 再処理が必要か。必要なら、どの範囲をいつ施工するか。
- 今回の浸水に対して、保証が適用されるか。
保証期間が残っているかだけで判断せず、浸水時の扱いまで確認します。施工会社が公開している保証規定の一例にも、天災による薬剤の変化と、その後の連絡・対応に関する条件が示されています。自分の家の保証書と施工先の回答で、進め方を決めてください。
大雨への備え|ハザードマップに色がない実家でも確認すること
千葉の大雨の後、アフター対応の会議で、ハザードマップにかかっていない家でも被害が出たと聞きました。地図を見て色が付いていなければ、それだけで安心してしまわないか。この話は、小金井の実家の備えを考えるうえでも大事だと思います。
テレビの水害特集では、土のうや止水板、水のうを使う備えが紹介されていました。片付けが落ち着いたら、次の雨までに実家で何を変えるか。道具を買い足す前に、小金井の住所と、家にいる人・いない人の分担へ置き換えてみます。
地図に色がなくても、雨水ますと室内の排水口を見る
小金井市の浸水予想区域図は、河川からの氾濫と、下水道などによる内水氾濫の影響を合わせています。市は、図で色を付けていない10cm未満の浸水深も、東京都の数値データで確認できると案内しています。色がないことを「浸水の予想がゼロ」と読み替えないでください。別に公開されている市の浸水履歴も照合します。履歴は市が報告を受けて把握した情報なので、記載がなくても安全と決めず、予想図と両方を見ます。
現地では、晴れて安全に作業できる日に、道路沿いの雨水ますの周りに落ち葉やごみがたまっていないか見ておきます。小金井市の家庭向け浸水対策(PDF)には、こうした日頃の清掃に加え、水のうを使ったトイレ・浴室・洗濯機の排水口からの逆流対策も載っています。玄関の前だけでなく、室内の排水口も備えの対象です。
土のう・止水板は「誰が設置するか」まで決める
例えば江戸川区の土のうステーションは、必要な人が自ら運んで利用する仕組みです。案内では土のうの中身は約5〜10kg。用意できることと、親が運んで並べられることは別です。
小金井の実家でも、取り付け式の止水板や水のうを選ぶなら、次の3点を先に決めます。
- 場所:どの出入口・排水口に使うか。寸法を測り、製品の設置条件と照合する。
- 人:雨が強まる前に、安全に設置できる人がいるか。本人に作業内容を確認する。
- 保管:道具と鍵をどこに置くか。水を入れる方式なら、現地で水を使えるか。
誰も行けない空き家なら、設置式の道具を買うだけで備えを終わらせないことです。設置する人が決まるまでは購入を保留し、平時の管理方法から見直します。雨が強まってから道具を置くために戻ったり、親や近隣の人を向かわせたりせず、人の避難を優先してください。
設置する人と水を使える場所が決まったら、土砂を用意せずに使う注水式の水のう袋も選択肢です。水を入れた後に運べる重さか、並べる幅と必要数、平らに置ける場所かを購入前に確認します。リンク先の商品は、傾斜や大きな段差がある場所には適しません。完全に浸水を防ぐものではないため、避難の判断は道具の有無と切り離してください。
助成制度は、実家のある自治体で確認する
北区には止水板設置工事費の助成制度があり、申請前の事前相談が案内されています。他地域の制度を見て「実家でも補助が出る」と先に買ったり工事を頼んだりせず、小金井市へ対象制度の有無から確認します。問い合わせでは実家の住所、住家か空き家か、設置予定の場所を伝え、対象条件と申請の順番を聞いてから費用を決めましょう。
最後に、次の確認日まで決めて引き継ぐ
遠方の家族が一度帰省しただけで、片付けも書類も終わるとは限りません。帰る前に「残っている作業」「次に確認する人と日」「鍵の保管先」「写真と書類の共有先」をメモして渡します。家を空ける場合の継続的な管理は、小金井市の空き家で最初に整理することへ進んでください。
今後の備えを見直す段階では、実家の住所で小金井市のハザードマップを確認する順番も使えます。被害直後の現地対応と、これからの備えは分けて進めましょう。
まず安全を確認する。片付ける前に記録する。現地と遠方の担当を決める。この順番なら、家に駆けつけられない家族も、連絡と記録の整理から動けます。

