実家じまいで補助金は使える?小金井市の解体・耐震・ブロック塀助成

古い家を残すか土地全体で売るか比較するイメージ 実家の売却

「実家じまいに使える補助金はありますか」と聞かれることがあります。

結論からいうと、実家じまい全体に使える全国一律の補助金があるわけではありません。ただ、小金井市には、条件に合う木造住宅の除却や耐震化、危険なブロック塀の撤去を支援する制度があります。

ここで気をつけたいのは、補助金が見つかったからといって、すぐに解体業者と契約しないことです。小金井市の木造住宅の助成は、原則として市の交付決定より前に契約すると対象外になります。

もう一つ大事なのは、補助対象になることと、その家を解体して売るべきかは別の話だということ。私なら、補助金の上限だけを見て解体を先に決めません。古家のまま売る方法も残し、売り方と総費用を比べてから決めます。

この記事では、2026年8月5日に小金井市の公式情報で確認できた制度と、売却を考えるときの順番を整理します。

「実家じまい補助金」ではなく、作業ごとに探す

実家じまいには、家財の片付け、測量、修繕、解体、売却など、いくつもの作業が含まれます。行政の支援も「実家じまい」という一つの名前ではなく、耐震化や除却、危険な塀の撤去といった目的ごとに設けられています。

小金井市で今回確認できた主な支援は、次の3つです。

支援内容主な対象費用面
木造住宅無料簡易耐震診断一定の条件に合う市内の木造一戸建て無料、予定25件・申込順
木造住宅の除却助成旧耐震の木造一戸建てなど対象費用の2分の1、上限30万円
ブロック塀等の撤去助成避難路等に面する危険な塀対象額の3分の2等、上限20万円

※ 上記は2026年8月5日に小金井市公式サイトで確認した内容です。申請前に必ず市へ最新の状況をご確認ください。

どれも、家が古いというだけで自動的に使えるものではありません。建築時期や建物の状態、道路との位置関係、所有者、市税の状況などによって対象が決まります。

なお、小金井市公式サイトを調べた範囲では、通常の家財整理や遺品整理の費用を一律に補助する制度は確認できませんでした。民間の記事で他自治体の制度を見つけても、そのまま小金井市で使えるとは限りません。

木造住宅の除却助成は上限30万円

小金井市の「木造住宅耐震改修等助成金」には、建物を取り壊す除却工事への助成があります。

対象となるのは、小金井市内にある地階を除く2階建て以下の木造一戸建て住宅で、1981年5月31日以前に着工し、延べ床面積の過半が住宅として使われていることなどが条件です。除却とは、建物だけでなく基礎を含めた住宅全体の撤去を指します。

助成額は対象費用の2分の1で、上限は30万円。所有者は個人で、市税の滞納がないことも求められます。共有名義なら、共有者全員の同意を得て選んだ代表者が申請します。耐震診断の結果、構造耐震指標が1.0未満であることも要件に含まれています。

2026年度の完了期限は2027年2月28日です。同じ住宅に使えるのは1回で、他の助成との重複はできません。

数字だけを見ると「古い実家なら30万円出る」と受け取りやすいのですが、実際には建物と申請者の両方に条件があります。対象かどうかは、工事の見積もりを取る前の段階で市へ相談した方が安全です。

先に解体業者と契約すると対象外になる

この制度で最も注意したいのは申請の順番です。

小金井市の案内では、市の交付決定日より前に施工業者と契約した場合、助成対象にならないと明記されています。「申請書を出してから契約」ではなく、交付決定を受けてから契約です。

実家が遠方にあると、帰省の機会に片付けや解体をまとめて頼みたくなります。しかし、見積もり、申請、交付決定、契約の順番を崩すと、条件を満たす家でも助成を受けられない可能性があります。

借地に建つ家なら、土地所有者の承諾も必要です。名義や土地の権利関係が曖昧なまま、工事だけを先行させない方がよいでしょう。

実家じまいで発生する費用全体については、実家じまいで先に払う費用と、売り方が決まるまで待てる費用で分けて整理しています。

無料簡易耐震診断は、除却助成と対象条件が違う

小金井市には、木造住宅の無料簡易耐震診断もあります。

対象の一例は、市内にある地階を除く2階建て以下の木造一戸建て住宅で、2000年5月31日以前に着工したものです。2026年度の予定件数は25件で、申込順と案内されています。

ここで混同しやすいのが、無料診断と除却助成の建築時期です。簡易診断は2000年5月31日以前、除却助成は1981年5月31日以前の着工など、同じ条件ではありません。無料診断の対象でも、除却助成まで使えるとは限らないということです。

予定件数があるため、実際に申し込むときは受付が続いているか市へ問い合わせる必要があります。

ブロック塀は、すべての敷地が対象ではない

古い実家では、建物だけでなく道路沿いのブロック塀が気になることもあります。

小金井市の助成対象は、避難路等に面する危険なブロック塀等です。敷地内にブロック塀があれば一律に使えるわけではありません。

助成額は、撤去費用の3分の2と、塀の長さ1メートル当たり1万円で算出した額を比べ、低い方の額。上限は20万円です。

申し込みでは相談カード、案内図、現況写真などを提出し、市の現地確認を受けます。遠方に住んでいる場合でも、まずは塀の場所と道路との関係が分かる写真を用意すると話が進めやすくなります。ただし、対象判定は自分で決めず、市の確認を受けてください。

補助対象でも、先に解体するとは限らない

不動産の売却実務では、古い家だから先に解体した方がよいとは限りません。

建物を直して使いたい買主が現れることもありますし、古家付き土地として出した方が、買主に選択肢を残せる場合もあります。反対に、土地の形や立地、建物の状態によっては、更地にした方が反響を得やすいこともあります。

だからこそ、補助金と売り方を同じ判断にしないことが大切です。上限30万円の助成が使えるとしても、解体工事全体の費用や、建物を残した場合の売りやすさまで含めて比べなければ、得かどうかは分かりません。

私なら、次の順番で考えます。

  • 建物の築年、構造、名義、借地かどうかを調べる
  • 古家のまま売る場合と、解体して売る場合を比べる
  • 解体が有力なら、小金井市に対象要件と受付状況を聞く
  • 交付決定を受けてから施工業者と契約する

古家付き土地を売るときに建物を残すか解体するかも、工事を決める前の比較材料になります。また、片付けや解体を先行するリスクは家を売る前にやってはいけないことで詳しくまとめています。

申請前に手元で整理しておきたいもの

市へ問い合わせる前に、次の内容が分かる資料を手元に集めておくと、対象を絞りやすくなります。

  • 建物の所在地、構造、階数、着工時期
  • 登記事項証明書など、所有者と共有者が分かるもの
  • 建物の住宅部分の割合が分かる資料
  • 耐震診断を受けている場合はその結果
  • 借地なら土地所有者との契約内容
  • ブロック塀の位置、長さ、道路との関係が分かる写真
  • 施工業者とまだ契約していないこと

すべてを最初からそろえられなくても構いません。まず分かる範囲を整理し、不足書類と手続きの順番を市に尋ねます。

実家じまいそのものの進め方から考えたい場合は、実家じまいは何から始めるかを先に読むと、家族の意思、名義、荷物、売り方の順で整理できます。

まとめ

小金井市には、条件に合う木造住宅の除却や耐震化、危険なブロック塀の撤去を支援する制度があります。一方で、「実家じまいなら一律で補助金が出る」「古い家なら必ず30万円もらえる」という制度ではありません。

最初に見るべきなのは、補助金の金額よりも申請の順番です。交付決定より前に施工業者と契約すると対象外になるため、工事を頼む前に市へ相談してください。

そして、助成を使えるかどうかと、解体して売るべきかは分けて考える。古家のまま売る選択肢と総費用を比べたうえで解体が有力になったときに、制度の利用を検討するのが現実的です。

公式情報

※申請時は、小金井市へ最新の受付状況と要件をご確認ください。

この記事の方針と書き手については、運営者情報をご覧ください。

タイトルとURLをコピーしました